立って見るときの目線と、座って楽しむときの目線は違います。暮らし方の中心に合わせて高さを決め、家具の天面との関係を微調整する。上下に余白を残し、左右は広く取り過ぎない。数日置いて見返すと、本当に落ち着く位置が見えてきます。急がない決断が、長く愛でる鑑賞を支えます。
壁に掛ける一枚と、床に立て掛ける一枚。視線の流れが緩やかに層を持ち、部屋に奥行きが生まれます。立て掛けは通り道から半歩外し、掃除の動線を妨げない位置へ。ときどき入れ替える小さな儀式が、季節と気分を静かに更新し、飾る行為を軽やかな習慣へと変えてくれます。
額は装飾ではなく、呼吸を整えるフレームです。紙の白とマットの白をわずかにずらし、ガラスは反射の少ないものを選ぶ。厚みと縁の太さで作品の重心を定め、壁からの距離を数ミリ調整する。見え方が澄むほど、作品は静かに深く語り、部屋全体の声量が落ち着いていきます。
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